亀萬のこだわり

日本最南端に位置する日本酒製造を天然醸造で行う蔵元

 地理的には芋焼酎の鹿児島、米焼酎の球磨人吉という焼酎王国に囲まれ気候としても酒造りにはギリギリの環境ですが、醪(もろみ)の温度を多量の氷を加えて調整する「南端仕込み」という独自の方法を用いて南端ならではの酒造りを行っています。

 味はふわっとした米の甘みの後に豊潤な味わいと深みが広がり、濃厚な料理もどっしりと受け止める力強い旨みのあるお酒が特徴です。
 これまでの造りは出稼ぎ杜氏や季節労働の蔵人に任せていましたが近年栃木県で修行して戻ってきた次期四代目を杜氏とし、社員一丸となり温故知新の信念を基に、お客様に満足して頂ける一杯を造る為に厳しいハンデをはねつけ、逆境にチャレンジし続けています。

酒造りの工程

精米

 米の目標は、60%のものも50%のものも、中には45%まで磨く米もある。 なぜここまで磨くのだろうか。つまりは端正できめ細かな酒を造るために、米の外側に多く含まれている澱粉以外の蛋白質、脂質、灰分、ビタミンなどを削り落とすためである。
  ご飯のおいしさに貢献するこうした成分は、酒の色や香りに影響し、麹や酵母の活動を活発にしすぎたりする。造りたい酒に合った米を手に入れたい。精白された米は、けし粒ほどの真珠に見える。精白歩合の高い米ほど水を吸いやすいから、浸漬時間には細心の注意が必要だ。酒造りの第一走者、精米係は気を張りつめる。

洗米

 米の浸漬時間は、酒造りに大きな影響を与える。吸水は精米の割合で違うし、水温とも密接に関係する。吸い過ぎると、元に戻すことはできない。次の工程である「蒸し」の過程でちょうどよい硬さの蒸米にならず、「蒸米」が「飯(めし)」になってしまう。浸漬は、秒単位の勝負。一瞬たりとも気が抜けない。亀萬酒造の浸漬設備は、洗米能力の向上と、浸漬のための注水時間の短縮を図り、タンク内での吸水のバラツキを極限まで押さえた。こうした細やかな心配りとこだわりから、良き酒が醸されていく。

精米・洗米

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蒸米

 蔵の中は、果物に似た芳しい香りに満ちて、しっとりと重い。それが、朝一番、連続蒸米機からもうもうと蒸気が洩れ出すと、一変する。にわかに勢いづく。かつては、甑(こしき)という大きな蒸し器で米を蒸した。この工程も

機械化される蔵元が多い中、亀萬酒造では、いまも和釜に甑をのせて米を蒸し、技の伝承を図っている。
  蒸しを担当するのは「釜屋」。昔は湯気のたちこめる甑にふんどし1本で入り、分司(ぶんじ)で蒸米をすくう姿が絵になったものだ。 酒の種類がふえ、それぞれに細かい造りが要求される現在、蒸米を作る釜屋の責任は、いよいよ重くなっている。良し悪しを左右する米の吸水加減、、蒸気の抜け加減、すべてに気を配ってベタ飯にならないようにする。「水分過多のおにぎりを作らないように。ここは蒸米を作っているところですから」、求める状態の蒸米に仕上げていく。

蒸米

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麹造り

 蒸しあがった米は一気に冷やす。この一部に麹菌を混ぜ麹米を作る。常温を30度以上に設定してる麹室は麹室は、造り蔵の熱帯だ。 麹造りは「一麹、二酛、三造り」と言い酒造りでは一番重要な作業である。杜氏が最も神経質になり、大吟醸の麹などはつきっきりで番をする。気難しい麹菌の機嫌を損なわないように、絶えず目をかけ、手をかけて良い麹に育てあげる仕事。2日目になると麹が成長しながら発する熱気でむんむんする。あとは出麹を待つだけだ。

麹造り

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酒母造り

 酒母は蒸し米、水、麹に酵母を加えたもので、もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したもの。日本酒造りには、良い酵母が大量に必要なので、文字どおり「酒の母」といえる。

酒母造り

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もろみ仕込み

 酒母に、蒸米、麹、水を混合したものを「もろみ」と呼ぶ。この工程では、1度に原料(蒸米、麹、水)を入れずに、何回かに分けて仕込んでいく。このような仕込み方を「段仕込み」と呼び、通常は3回に分けるために「3段仕込み」と呼ぶ。 大吟醸のもろみの発酵日数は通常30日程度だ。最南端の清酒醸造上だけあって醪の温度も上がりやすい、氷を入れて調整する。南国九州ならではの独特の酒造りだ。

もろみ仕込み

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しぼり・濾過

 醪を搾るのは、槽場(ふなば)。フネの名は醪を酒袋に小分けして積み、圧力をかけて搾る槽の形に由来している。いまも特別なお酒は、この方法で搾るのが常道である。フネにちなんで親方を船長とも呼ぶ。
  上槽、つまり搾りの前には、まず半日がかりで搾り機を洗う。 背の高い機械に2人が馬乗りになり、150枚にも及ぶ圧搾濾過板の1枚1枚に、シャワーを浴びせる。 「麹室はハワイ、槽場は南極」と言いつつ、雑菌の1つも許さない意気込みで洗う。防水服を通して、冷たさがしみ込む。
  醪が移され、いよいよ上槽が始まると、圧搾機から酒が滴り、パイプを流れ出す。口にふくむと熟成した酒とは違うフレッシュな香味が広がり、炭酸ガスがかすかに弾ける。搾りたての新鮮さを宿す新酒の誕生である。しかし、酒造りは、新酒の誕生がゴールではない。濾過、調合、火入れ、熟成、瓶詰などの工程を経なければ、お客様に飲んでいただける商品にはならない。 濾過はその第1段階。搾った酒の中にわずかに残る雑味や色を炭素で取り除き、色艶も凛とした酒に磨くのが目的である。しかし、1つ間違うと味も香りも削りすぎて、「薄っぺらな酒になる」。削り、削らずの度合が、濾過の決め手になる。

しぼり・濾過

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火入れ・貯蔵・瓶詰め

 火入れ。生酒の中にはまだ生きている酵素があり、放置すると酒の味を変える。それを防ぐには、生酒の中に残っている酵素の活動をとめる必要がある。一方で酒質は、火入れ貯蔵することにより、新酒の荒さなどがとれ、香味が整ってくる。このために、生酒を65度の、いわゆる低温加熱殺菌をする。
 こうして酒は旅立ちの支度を整え、7月の初呑切り(はつのみきり)を経て出荷の日まで貯蔵タンクで眠りつつ味わいを深める。

火入れ・貯蔵・瓶詰め

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